エネルギー研究会 活動報告

☆☆エネルギー研究会 加藤幸男 (代行 村井哲郎)                                                       (2019年4月4日現在)

=エネルギー研究会=     地熱の利用の現状と展望 村井 哲郎

  地熱は、古来より、日本人の生活にとって切っても切れない関わりのあるエネルギーである。 地熱利用の拡大に関わる背景、地熱発電の実態、問題。 地熱の熱源は太陽光、地下のマグマからの熱が主なもので、まさに自然の恵みである。

 地熱発電 世界的には、地熱発電はアメリカ、フィリピン、イタリアなど火山地帯の国々に多く、合計約 8,500MW の設備がある。日本は地熱資源量では 2,350 万 kW(23,500MW)と世界3位であるが、設備容量は 515MW と6位である。 バイナリー地熱発電 通常の地熱発電は一定の高圧・高温の水蒸気をタービンに直接吹き付けてフラッシュ発電するのだ が、その圧力・温度に達しない熱水・水蒸気の場合は媒体と熱交換させ、蒸発させ、その蒸気でター ビンを回し発電させるのがバイナリー発電である。地熱エネルギー(地熱水、地中熱)の利用、経済 性、限界、地域との調和、地熱発電に伴う蒸気・熱水だけでなく、地下浅部の熱水を直接利用するこ とも広く行われている。 温泉もそうだが、温室、プール、融雪など様々な利用法がある。 地中熱利用冷暖房 地熱発電が地下深部の熱を利用するのに反し、これは、地下 100m ぐらいまでの浅部の熱を利用す る方式である。すなわち、地球上、極端な気象条件の所以外では、地下 15mぐらい下がると、1 年中 恒温(約 15℃)の所が多い。この地下の熱を地上にヒートポンプでくみ上げ、必要な温度にまで、昇 温、降温すれば、ビル、住宅の冷暖房に利用出来る。 地域共生スキームによる地熱開発 新しい地域共生スキームによる地熱開発が近年全国に拡がっている。その一つが福島県の土湯温泉 である。東日本大震災後の風評被害により、観光客が激減した土湯温泉では温泉事業者が立ち上がり 新たな地域産業の創出地熱発電所を稼働させた。 国の長期エネルギー需給見通し KECA ニュース No.66 2019 年 8 月 13 日発行 -10- 地熱エネルギーは 2030 年までに現状の3倍、150 万kW にまで拡大するという目標が掲げられてい る。しかし現在の困難点としては下記が挙げられる。 1)従来、発電所建設までに 10 年以上の長期間を要し、それに伴いコストが上昇する。 2)自然公園法や温泉法に対する行政の許認可にも時間がかかる。 3)地熱発電の開発には温泉業者の反対が多い。地熱発電の熱源とする地熱貯留槽は地下2~3km 以深に賦存するに反し、温泉が湧き出る泉源は地下浅部であるので、地熱発電により影響を受 けることは少ないと思うが、温泉業者はその湯量・泉質への影響があるとして強力に反対して いる。筆者も温泉は大好き、かつ温泉業者の気持ちも理解出来るが、過剰な反対をせずに共存 の道がさぐれないものかと思う。 4)更に地中熱冷暖房については、初期コストが高いという難点がある。これは地下熱を採取する ための熱交換パイプを挿入するための孔を掘削する試錐のコストが高いために、初期コストが 高くなるということである。スイスでは、試錐機がトラックの上に設置されていて、作業が効 率的に行われている。またある現場から次の現場までの移動が迅速であり、試錐機の償却が早 く出来、コストダウンの一要因となっている。日本でこれを実現しようとすると道路移動の際 の法規制を緩和しなければならないがこれも行政の考え一つで解決出来るのではなかろうか。


☆☆エネルギー研究会 加藤幸男   (2019年4月4日現在)

日本のエネルギー政策について(進むべき方向性)

表題:総合エネルギー政策(副題:地球温暖化対策もさらに、重要である)

 

現状把握

 

1-1 今、我々が抱えている問題は、一に「地球温暖化対策」である。地球温暖化が進

んでいるのは、まぎれもない事実である。2,3日前のT・Vによると今までは、沖縄で

取れていた果物が千葉県で収穫され本来の味が確保されているとのことであつた。(平成

30年度では、千葉県から、更に、北海道へと進展している)又、昨日のT・Vの気象学者

の解説によると100年後の日本に上陸する台風の数は、減ってくるが、台風が日本へ上

陸しても勢力が衰えず風速50m/sクラスが増えてくると見ている。

この現象は、海面温度が上昇することに基づくと考えられるとのことで、地球温暖化は、地球全体の気象状況のバランスをも狂わせてしまう。

これは、温暖化に由来するもので各所に同様な現象が見られる。

 ところが、3・11東日本大震災後は、当面の問題は、エネルギー対策・節電に移行してしまった様な感がある。「地球温暖化問題」は、先送りにされたわけではなく、依然として人類の最重要課題であるのに変わりはない。

 電中研(電力中央研究所)NO.468 2010 Augustによると「電源別のライフサイクルCO2排出量」を評価している。 注:発電所の建設、燃料の採掘、輸送、精製、運転、保守などの全ての工程を対象とした比較。

 火力発電(LNG,石油、石炭)は、発電のための燃料その物と付帯設備によるCO2

排出がある。 一方、その他の発電(風力、太陽光、地熱、水力、原子力)については、

付帯設備による CO2排出はあるが、前者に比べても一桁以上も少ない。

 

2.最も重要と考える課題の抽出

 

まず、脱・原発を最優先に実現することが我々、広島・長崎の原爆を経験した世代が

国民の子孫に対する責務であると思う。

2-1.脱・原発を表題にした理由

  この度の災害は、科学技術を過信することの危険性の教訓であった。 ---詳細略---

2-2.LPG・石油・石炭といった枯渇資源に当面は依存する理由

 現実問題として、枯渇資源に依存して出来るだけ速やかに脱原発体制を確立する。

枯渇資源は、CO2排出という問題がありこれを解決するのは、我が国としては、最も得意とする分野であり、これを起点に国力(産業)の進展が図れる可能性が大きい。

2-3.再生可能エネルギーに全面的に依存できるか

 現状では、全面的な依存は難しい。日本の国土の立地条件から海洋での風力発電は多額の費用が掛かる。(海岸線が急に深くなっているため建設費が嵩む)

下記の「新エネルギー法」との関連で記述する。

「新エネルギー法」

新エネルギー法とは正式名称を「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法施行令(以下新エネ法施行令)といい、1997年に制定された法律のことで、石油など化石燃料の代替エネルギーとして利用が期待されているもののうち、コストや経済面から普及が思わしくないものの導入促進を図ることを目的としている。具体的な対象として以下のエネルギー14項目が指定されている。→特徴、問題点 1)太陽光発電→天候に左右される。きわめて広大な土地が必要。発電の単価が  高い。/2)風力発電→夜も発電可能、風速に左右される(5m/s 以上~15m/s 以下)

建設場所が限られる。/3)太陽熱利用→活用が限定される。/4)温度差エネルギー→活用が限定される。/5)廃棄物発電→廃棄物処理場に併設。小容量。/6)廃棄物熱利用→5)と同様。 /7)廃棄物燃料製造→5)と同様 。  5)、6)、7)はバイオマスエネルギーに相当。 )バイオマス発電→再生可能エネルギーとして今後共有望。 9)バイオマス熱利用→8)と同様。 10)バイオマス燃料製造→8)と同様。  /  11)雪氷熱利用→小容量、地域限定。12)クリーンエネルギー自動車。 / 13)天然ガスコージェネレーション。14)燃料電池→12)、13)と同様、日本の技術力による開発が期待できる。                         

2-4.革新的な省エネが実現可能か

 日本としては、どうしても解決すべき問題である。我が国の省エネ技術を海外に普及させることも責務である。

地球温暖化防止は、一国だけの問題ではない。今までの我が国の技術力からして可能である。

2-5. 脱・原発、

 既に、前項で述べているので詳細は、割愛します。我が国の絶対に譲れない方針としていきたい。

 

3.    で 抽出した課題の解決策について

 

3-1 脱・原発を表題にした理由

脱・原発が絶対条件であるが、表面に立てずに、エネルギー問題解決を進めていきたい。

3-2 LPG・石油・石炭といった枯渇資源に当面は依存する理由

地球温暖化対策としてのCO2削減の面からは矛盾するが原発を除いたエネルギーバランスから当面は、やもう得ない。

3-3.再生可能エネルギーが依存可能か

太陽光発電等の全料買い取り制度が機能すればある程度は、普及するがエネルギーの絶対量では、足りないのは明らかであるが、地球温暖化対策(CO2削減)の面からは、有効なので、普及促進の必要がある。

3-4 省エネ技術に依存可能か

十分依存可能である、我が国の60年に及ぶ省エネの歴史からこれは、世界でも一級の技術であり、我が国の経済的復興のみでなく、世界にも貢献可能な技術である。

3-5 総合的な解決策

 冒頭に触れた様にエネルギー問題は、地球温暖化防止に関わることで我が国だけの問題ではない。

総合エネルギー政策は、単純にエネルギーだけの問題ではなく、総合的に我が国の経済発展に繋げていきたい。

また、ISO50001「エネルギーマネジメントシステム」が2011年6月15日に制定され、更に20188月に第一回の改定が実施された。

この国際規格は、我が国の省エネ法との関係を十分に組み込んだもので 今後は、日本が率先して世界をリードすることも可能である。

これを糸口に我が国の311東日本大震災の停滞したムードから立ち直らせたい。


☆☆エネルギー研究会 加藤 幸男   (2018年11月30日現在)

 

「1」 63号④ NEDO(新エネルギー・産業開発機構)及びERCA(独立行政法人環境再生機構)の年間の取組み情報に沿って活動する。2018年度は、完了に付き2019年度からの取組み。

 

201843日に岩村さんと、加藤でERCAを訪問。 ERCAの取組の方が、KECAに適していることを確認。それが今回、KECAの 「2019年度 地球環境基金助成金交付」に向けての活動に結び付いた。

 

「2」 KECAのエネルギー研究の歴史⇒ エネルギー委員会(2005/6/14日誕生)⇒エネル

     ギー研究会  

 

①中国雲南省幹部、中堅を対象に「日本のエネルギー管理」の研修と「環境エネル

  ギー展」へ引率・

 

 指導(故本多四郎さんと加藤が担当)神奈川技術士会への支援。 

 

②南京市海外専門家週間(省エネ)で「日本の省エネ政策・省エネ法・省エネ技術

  他」加藤が講演

 

 と南京鋼鉄他の省エネ診断***①と関係なく直接の依頼。 

 

③江蘇省(省都南京市)から日本への研修生「日本の環境保全の過去・現在・将来展

  望」神田神保

 

 町で講演(加藤)

 

「3」 エネルギー委員会(20056月発足)⇒エネルギー研究会として発足

 

   相模原市印刷会社 4

 

   金沢工業団地内 (化学工業会社6社 (各 1日(2社)プラス報告会)、③アルミ鋳物、ラミネート工場(ラミネート材の乾燥工程有り(2人ずつ交代で約1年)

 

   20109月 外部向けに「中小企業のための省エネセミナー」を実施

 

   2011年;中小企業向け省エネ診断とコンサルを実施

     5社、(独)鉄道運輸機構総会講演「業務ビルのCO2削減」とコンサルタント実施


☆☆エネルギー研究会 加藤 幸男   (2018年8月13日現在)

 

エネルギー研究会は、前年度までの計画の検討をベースに今年度(2018年度)の活動を再検討し、推進する。

 

①まず、「運用改善」と「更新改善」からなる冊子ⅠKECAエネルギー研究会を作成する。長期的スパンを含む場合、冊子Ⅱによる。 「運用改善」:投資回収年数 5年以下の提案⇒Update

 

改善提案 「更新改善」:投資回収年数5年以上の提案⇒Renewal   

 

改修提案 :まず、運用改善、並行して更新改善、改修改善のマニユアルを作成しておく。Updaterenewal等の用語については、英和辞典を呑みにせず、「誤訳の泉」等で比較検討する。

 

②シラバス;「1」省エネ診断技術実習(省エネ診断報告書等)             

 

  「2」省エネマネジメント実習構築(EnMs構築)

 

  「3」省エネルギー計画管理実習(省エネルギー報告書等)

 

  「4」省エネ対策技術実習(省エネ、創エネ、畜エネ)

 

「2」については、人材育成を図る手段として、エネ研主体のワークショップを企画実施する。「4」については、エネ研主催で1回実施済み。

 

*シラバスは、別紙に参考を示す。実際の研修は、参加者のレベルに合わせて作成する。

 

③資源エネ庁(eラーニング)活用による研究会。資料は研究会メンバーにのみ配布。(取り扱い注意)  

 

  1. IPCCコミュニケータは、平成29年度からは、「地球温暖化コミュニケータ」として、再出発した。KECAエネ研もこれに対応していく。

  2. 研究会は、原則、集まって実施するものですが、Skypeも、多いに活用し、実施する。岩村道雄さんのSkype研究を生かしたい。

  3. エネ研主催,又は、共催のワークショップを実施したい。過去に3回程、実施の実績有り。

  4. 省エネポテンシャル診断の分析と研究

    平成29年度CO2削減ポテンシャル診断実施支援委託事業

    「経験要件として、過去に事業所を対象にしたCO2削減ポテンシャル診断や省エネ診断を3事業所以上行った経験のあるもの」との記載がある。本件は、KECAとして、対応しない。

  5. NEDO(新エネルギー・産業開発機構)及びERCA(独立行政法人環境再生機構)の年間の取組み情報に沿って活動する。両機構共、JR川崎駅西口セントラルタワービル16FL、9FLに本社があって対応が親切。H30年4月3日 岩村道雄さんと訪問 両機構の取組は、HPから確認可能。H30年度は、完了に付きH31年度からの取組み。

  6. 、⑩は未定

     

 

□2018年度エネルギー研究会

 

第1回 8月中 予定

 

会場 横浜西口県民サポートセンター9FL フリースペース   加藤幸男